Jul 19, 2010
知っている小学生、中学生の裁判員制度の塾講師です。
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「日本という器だけでは、彼の存在が収まりきらなくなる」
ゴルフ記者のジム・マッケイブは、日経Web刊に掲載されたコラム「『石川遼は真のスポーツマン』 米国で評判よんだ姿勢」で、石川遼選手についてこう締めくくった。
【グラフ:世界各国のエネルギー自給率、他の画像】
2011年8月7日、米ツアー自己最高位の4位という好成績でブリヂストン招待選手権を終えた石川遼選手は、その翌週、期待された全米プロ選手権では通算17オーバーで予選落ち。だが、ジム・マッケイブ氏は「2つの点から見て、石川遼には無限の可能性がある」と指摘する。
1つは全米プロ選手権初日に15オーバーの85という、自身のワーストスコアを出しながら、2日目には2オーバーの72にまとめたこと。その身体能力とスイングのダイナミズムを賞賛する。もう1つはメディア対応の良さ。どんな結果の時でも、きちんと答える姿はラウンドでのプレッシャーに耐える精神に通じる。
称賛の声は記者だけにはとどまらない。ESPNの記事によると、タイガー・ウッズ選手(米国)は、「自分が18歳の時よりも格段に優れている。飛距離は自分の方が長かったが、彼のショット能力はなかった」と語り、ブリヂストン招待で優勝した“ホワイト・タイガー”ことアダム・スコット選手(オーストラリア)は、「彼は4年間でものすごいことを成し遂げてきた。たいていのゴルファーなら気が狂ってるはずさ」と言う。
石川選手は帰国後、朝から走り込みで下半身強化、筋トレ、夕方にゴルフ練習の合宿に入った。鍛え直して国内後半戦での勝利を目指す姿勢は、心身ともにタフだ。「日本という器」には収まりきらない。来年か再来年には米国や欧州だけで戦うようになる可能性も大きい。
それは日本という器が相対的に小さいだけでなく、今縮んでいるからでもある。
国内ゴルフツアーは賞金も試合数も縮小傾向。海外メジャーほど高額賞金もなく、難コースも少ない。有力選手にとって、日本の器は小さくなっている。しかも彼らが不在の間、手薄になった選手層のスキを突いて韓国や中国の選手が優勝をさらう。「日本選手の力量の割には賞金が高い」が彼らの本音だろう。アジアの選手にとっても、日本の器は米国という大きな器の入れ子に過ぎない。
器の縮みはゴルフに限らない。サッカーや野球など、ほかのスポーツからも見えてくる。
●器は縮んでいる
今年、創設20年を迎えたJリーグ、1991年の発足直後には大ブームとなった。以来、世代ごとに選手層が厚くなり、代表チームはワールドカップには4大会連続出場、日韓大会と南アフリカ大会で決勝トーナメントにも出場した一方、Jリーグの観客動員数は近年減少傾向にある。テレビの地上波中継も激減し、観客動員はコアなファンや地元の努力で支えられている。そして遂に、浦和レッズの決算が赤字になった(2010年度)。それは縮みの象徴である。
理由は「客を呼べる有力選手の欧州への移籍」だろう。インテル長友佑都選手、ドルトムント香川真司選手、CSKAモスクワ本田圭佑選手らの活躍を見れば明らかで、Jリーグという器に穴が開き、次第に大きくなっている。
野球はどうか。地震の影響があるにも関わらず、今年のセ・リーグの観客数は微減、パ・リーグは微増と健闘。1試合平均2万5000人の動員はやはり日本最大のスポーツ娯楽である。少なからずの選手の意識は「メジャーでやるのが夢」だが、ワールド・ベースボール・クラシック(野球の世界一決定戦)で日本が2連覇しているようにレベルも高い。“ガイジンの助っ人”も通用しないことがある。100年以上の歴史があるローカルスポーツ、国内でも十分食っていける。日本の野球場の器は“内向きにすり鉢状”である。
ほかのスポーツではどうか。フィギュアスケートは世界トップ選手と広告会社の力で、日本中心のロクロを回すまれな例である。とはいえ世界的にはレアな競技だ。女子バレーボールにもかつてトップの時代があったが、今では世界各国にブロックされている。大相撲は土俵という器に亀裂が入り、力士も親方も足をすくわれた。
多くの競技では、「こんなもんさ」「日本で十分食える」「本場には勝てない」とあきらめムードがまん延。その間に器はどんどん縮む。それでいいのだろうか? 主宰者もファンも選手も、これでいいのだろうか?
●日本のオーガスタ、日本のバルセロナを作る
「守りに入るとやられる」のはあらゆるスポーツの鉄則。もっと器の魅力を高めないと、もっと縮む。みんなが低成長意識にどっぷり漬かる今こそ、“とてつもない目標”を立て、反転させる提案が必要だと思う。
まずゴルフでは「日本のオーガスタ」を作ろう。超難易度の国内ゴルフコース。選ばれたトッププロだけが攻略できる設計で、そのトーナメントで勝つことは米国本家に匹敵する権威となる。ゴルフ場という器からやり直す。
サッカーなら「日本のバルセロナ」だ。世界から圧倒的なメンバーを集め、Jリーグで5年以上連続で優勝し、アジアチャンピオンズリーグでも常勝する日本のバルセロナ。アジアいや欧州選手も、そのチームに入るのが栄誉なチームである。チームという器からやり直す。円高は海外選手を安く獲得できるチャンスでもある。
スタジアムの器は「日本のカンプ・ノウ」である。カンプ・ノウはバルセロナにある世界一のサッカースタジアム。9万人収容、誇りあるサポーターが集う聖地を、国内にも作りたい。
日本をスポーツの一大メッカにする――これは立派な国家産業戦略だ。スペインやイタリアのように、成熟国の成長戦略には、スポーツやアートなどの娯楽がぴったりだ。日本の器を大きくすれば、石川遼選手も喜んで日本でプレーするだろう。
●国家レベルでもとてつもなく
問題は日本に充満する“心の空洞化”である。挑戦をあきらめ、現状維持思考がはびこっているように見える。円高で産業界もグロッキーだが、見方を変えれば米国が衰退しているだけである。それは日本がもう一度「世界の中心地」を目指すチャンスでもある。
そこで国家レベルでも、とてつもない目標を立てたい。
例えば「自然エネルギーで自給率100%」。現在のエネルギーの自給率はわずか4%、原子力を入れても18%。自然エネルギーは水力発電を入れても1割にも満たない。
それをあえて自然エネルギーのみで100%として、輸出もしたい。実現のため世界から資金を集める。海外移民も受け入れる。英語と日本語を共通語にする。クリーンなエネルギーを世界に輸出して、放射能で地球という器を汚染した償いをしたい。自然エネルギーは安定的な供給は難しいが、そんな志を立ててもいいのではないだろうか。
【郷好文,Business Media 誠】
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